東地和生美術監督作品展

楽しみすぎる。

作品集も販売されるそうだ。

東地和生展 - KazukiHigashiji Exhibition Web Site

 

あと、バンドリは、おたえをはじめとした特有の語法(台詞まわしのくせ)があるようで、そこは見ていて楽しい。

(まあ、けもフレ構文の流行はいうまでもなく、「このすば」の台詞にも、特有の「繰り返し語法」があるわけだが。)

バンドリ、ライオン、昭和元禄など

バンドリは「第1話で4月新生活」パターンながら、桜の色があまり目立たず、不安に思っていたが、おそらく、背景や美術(あるいは撮影の光)で時間経過をしっかり描くことができないと思う。全体としても、これだけ刈り取られたジャンルに後発組として飛び込んだくせに、ひどい出来だと思う。

3月のライオン』は、将棋アニメに戻って安心(三姉妹苦手)。毎週の絵コンテ担当もスター集団(川畑さんなど)。最新話では、あの「超」がつくほどの定跡(原作の時期は矢倉91手組が出来上がる頃だったか)をなぞってもなお、あれだけの思考の濁流というのは、迫力があった。

また、「勝った側そこ盤の前で呆然としてしまう」という将棋特有の感覚の描写も良かった。あれはハッとするだろう。おそらく今夜だろうか、タイトル戦で描かれる「相手を信用しすぎてしまう」という、これまた将棋特有の感覚の描写も来るはずだ。楽しみ。いまのあたりは将棋マンガ/アニメとして一つの山場だろう。

『昭和元禄』も毎週が山場のようで、僕はアニメは基本何度も流すのだけれど、この作品は心身に負担が来すぎて、一度ずつの視聴に集中することにしています。

「このすば」については、わたくし、アクシズ教徒なのですが、今週も可愛かったです。

「メイドラゴン」については、トールのほんのひとまわり(というか、0.5まわりくらい)太ましい肉感がすばらしいだすーーカンナちゃんはいうまでもなく(スイカ割りでの脚よ……)。

『3月のライオン』第12話

2クール目初回、大石美絵コンテ週また来ました。

アニメ版『3月のライオン』は「美術設定・画面設計」としてクレジットされる名倉靖博の功績が大きいのではないか、なんて言えるかどうか、後づけだが、ついにその名倉コンテのエンディングが来て、このシリーズの演出の解説としてこれから3ヶ月じっくり見ていきたい。(やはり一番異様に描いてあるのは、あの画面の奥行きを否定するような太陽/月なんですね。CGの肌理が目立つ回転する円体も多用されているわけだが、それとは別の手書きの太陽がサビの箇所にのみ出て来る。)

アニメ版を通しての感想だが、原作既読(めずらしく)の視聴ではあるが、桐山くんの妹の存在が印象に残る。あれは久野美咲の兼役だろうか、声までついてしまったからか、2クール目のオープニングでも桐山妹~川本末娘の繋ぎがあるが、原作を読んでいる段では、たしかに重要な設定ではあるが、ここまで映像や声がチラついたりはしなかった記憶である。

第12話について言えば、藤井先生の解説動画をちゃんと見て、話し方の癖を研究してからアフレコに来いよ、中村!

(余談だが、『ちはやふる』アニメ版が小学生編の映像(記憶)を上手に活用していたのを思い出す。)

 

ラブライブ!The School Idol Movie

NHKで『ラブライブ』劇場版を見た。宣伝がないので良い。はじめて見た。

個人的な印象では、とても楽しめた。お話の筋のいい加減さは昨日今日始まったことではないので(二期のあれこれ)、その点ははじめから期待していないというのもあるが(ニューヨークがアキバに似ているとか、ふざけんじゃねーよ笑)、「スクールアイドル」という本シリーズの最大のアイディアを存分に活かして、自問して、μ’sなりの答えを展開して、映像化して、僕はそれなりに納得して見た。

2次元/3次元、手書き/CG、学校/舞台(ライブステージ)といった境界線をまたぐのが「スクールアイドル」のアイディアの根幹だと僕は理解しております――たとえば、無印第1話の「だって可能性感じたんだ」の終わり方など。

『ユーリ!!! on ICE』最終話

『ユーリ』はシリーズを通して楽しく見た。オープニング映像(gif画像だったかも)をどこかで見て、急いでウェブ版で第1話を見て、本放送の録画予約を設定した。

第1, 7. 12話を推す。

第1話はアニメ初週特有の作画で、これ以上の期待はなかった。リンクメイトだったお姉さんの中学校時代だったかが可愛すぎる。

その後は、若干の作画の息切れもあった(たとえばユリオのまだ身体が出来上がってない――それゆえのいっときの美しさもあるわけだが――さまを作画ではさすがに描ききれていない、たんに、「崩れた」ようにしか見えない)。

第7話、中国大会フリー演技では、コーチ/選手の関係が崩れる、この作品のキーワードである「(相手を演技で)驚かせる」様子が良かった。とても良かった。

フリーの曲も良くて、これ単体で購入しちゃうくらい。(中盤、曲が落ち着くとともに、スケーティングもストロークの長い、ゆったりとした振り付けになる箇所、勇利の台詞もなく、実況の声もなく、エッジが氷を切っていく効果音しか聞こえないカット、とても良い。)

最終話、すると、物語としては、その「驚き」の先にヴィクトルの選手復帰がやってくるのは必然だろう。ショート/フリー/総合での順位の扱いも上手だった。

かりに二期があるのであれば、アニメでしか描けないスケート競技というものを見せてほしい。10回転ジャンプを見せろ、ということではなくて、アニメでしか描けないアングルだったり、動線の活用だったり(山本沙代監督の過去作品を参照)、本シリーズは「スポーツ中継の文法」の活用が目立って、しかしそれがなんら美的効果につながっていないと思う。あえて取り上げれば、最終話、エキシビションの演技がいつの間にかペア演技になってしまう箇所とか、第1話の「完コピ(滑ってみた)」が勇利~ヴィクトルのカットのディゾルブで文字通りに重なってしまう箇所とかくらいでしょう。二期(「ある」と思い込んでいますが)では、アニメゆえの表現を見せてほしい。

 

 

『灼熱の卓球娘』第12話

最終話。

アニメ版『ピンポン』のような化け物めいたレベルの作品のあと、おなじスポーツをどう扱うのかと思っていたが、『咲』系の友情(百合)メソッドで上手に料理したなぁと感心するシリーズだった。

オープニングは曲の展開がまず面白く、それとチグハグなのかピッタリなのかもよく分からない輪郭線の作画の組み合わせが抜群だった。ライバル校の見せ方(「咲」の龍門渕シーンを連想させるような、しかし逆向きのカメラワーク)も、あの打ったらすぐに背中を向けるもず山くるりのアクションも、素晴らしい。

『ピンポン』は画面分割が特徴的だったと記憶しているが、このオープニングにもあるが、『卓球娘』はその逆、カットを割らないという哲学があって(それが「どきどき(のシンクロ)」「相手の顔が近い」であるという物語進行の核に呼応している)、最終回でいえば、最後の試合の場面など、その集大成といったところで、もう、泣ける。

他作品との比較から特徴記述を行ってしまったが、とても楽しい作品でした。制作現場の皆さん、お疲れ様でした。