『ユーリ!!! on ICE』最終話

『ユーリ』はシリーズを通して楽しく見た。オープニング映像(gif画像だったかも)をどこかで見て、急いでウェブ版で第1話を見て、本放送の録画予約を設定した。

第1, 7. 12話を推す。

第1話はアニメ初週特有の作画で、これ以上の期待はなかった。リンクメイトだったお姉さんの中学校時代だったかが可愛すぎる。

その後は、若干の作画の息切れもあった(たとえばユリオのまだ身体が出来上がってない――それゆえのいっときの美しさもあるわけだが――さまを作画ではさすがに描ききれていない、たんに、「崩れた」ようにしか見えない)。

第7話、中国大会フリー演技では、コーチ/選手の関係が崩れる、この作品のキーワードである「(相手を演技で)驚かせる」様子が良かった。とても良かった。

フリーの曲も良くて、これ単体で購入しちゃうくらい。(中盤、曲が落ち着くとともに、スケーティングもストロークの長い、ゆったりとした振り付けになる箇所、勇利の台詞もなく、実況の声もなく、エッジが氷を切っていく効果音しか聞こえないカット、とても良い。)

最終話、すると、物語としては、その「驚き」の先にヴィクトルの選手復帰がやってくるのは必然だろう。ショート/フリー/総合での順位の扱いも上手だった。

かりに二期があるのであれば、アニメでしか描けないスケート競技というものを見せてほしい。10回転ジャンプを見せろ、ということではなくて、アニメでしか描けないアングルだったり、動線の活用だったり(山本沙代監督の過去作品を参照)、本シリーズは「スポーツ中継の文法」の活用が目立って、しかしそれがなんら美的効果につながっていないと思う。あえて取り上げれば、最終話、エキシビションの演技がいつの間にかペア演技になってしまう箇所とか、第1話の「完コピ(滑ってみた)」が勇利~ヴィクトルのカットのディゾルブで文字通りに重なってしまう箇所とかくらいでしょう。二期(「ある」と思い込んでいますが)では、アニメゆえの表現を見せてほしい。