『りゅうおうのおしごと!』の物足りさなさ

りゅうおうのおしごと!』第5話、見る。

出典は「こども名人戦」での解説・森内先生が詰みのある局面に戻して、その瞬間、自身が勝ちを逃していたことに気がついた子が泣き出してしまったというエピソード。(調べたら、盤面まで一緒じゃないか。)

天彦の貴族、窪田の空気清浄機、広瀬の静止画、里見の女流棋戦成績などなど、著者がよく取材していることは分かるが、しかし、上記の森内先生エピソードがはっきりと示しているように、すでに「2ちゃんねる」などで話題になっている事柄ばかりで(将棋まとめサイト記事を参照)、ライトノベル作家の目線で将棋界を見つめ直して面白いと思った事柄を料理している、といった感覚がないのが、ただの「輸入作家」のように見える。

その一方で、著者のライトノベルへの信頼は厚く、言い換えれば、ライトノベルとはなにか、といったジャンルへの批判的観点もまったく欠如している。(だから、将棋ネタが終わったところでラノベネタ「まったく、小学生は最高だぜ!」に逃げる)。

将棋もラノベも既存のネタの調理が上手なことは認めるが、それでは100点満点で85点までしか出ない。