ヴァイオレット・エヴァーガーデン第9話

こんなに「右手」の描写に溢れた作品だったのか。自動車の振動に上乗せで情動で震えてしまうの、義手なのに感情で震えてしまうの、ええなぁ。動かないもの(義手や紫色の花)が動くというのが、アニメーションの原理論であるとともに、感情という本作の謎というか主題と絡む週で、なかなかの回収だった。

アバンタイトルの戦争描写は第1話Cパートですでに見ているが、劇伴がまったく異なっているし、おそらく声優の芝居は撮り直しであろう。

本作でのヴァイオレットちゃんの感情(石川由依の芝居)の振れ幅を第1話で見せてしまって、当初はもったいないことをしていると思っていたが――淡々とした発声が基調のキャラクターにおいてあれだけの感情の発露があることは驚きとして温存できた――第1話から9話までのさまざまな場面や芝居の蓄積があれば、単純な反復となるはずもなく、かりに撮り直しではなく音声のバンク活用になっていたとしても、この芝居に視聴者が読み取れてしまう情動性は高まっている。

個人的な趣味だが、来週は山田尚子絵コンテで姫様のツンツン新婚生活をお送りしてほしい。

あと、カトレアさん(CV遠藤綾)とベネディクト(CV内山くん)は早くくっついてほしい。