リズと青い鳥

リズと青い鳥』行った。池袋。

あの物語展開であればあのキャラクターデザインで良いと思う。

じっくりしたタイトル表示前までのシークエンス(登校のシーン)でやられた。

演奏シーンも素晴らしかった。

種崎敦美の名前がキャストクレジットの筆頭に来る劇場アニメ。

吹奏楽部ということで「耳のいい人たち」の世界(『聲の形』スタッフの制作、と宣伝されているのもうなづける)。

登校の場面が分かりやすいいが、ミニマルなフレーズを反復する劇伴は、いくつかの音色パートがあって、複数の音色が重なるとも追いつくともいえない微妙な間隔を保持したまま進行して、さらにローファーなり上履きなりの足音が重なっていく。むろん、みぞれとのぞみの関係性の隠喩なのだろう。

その関係性の描写については、登校の場面でもおしまいのカットでもあったけれど、「クルッと回る」というアクションも同様の意味作用を担っているだろう。みぞれ/のぞみの追いつく/追い越すの関係性の転換。

また、年齢にして三つしか違っていないはずだが「先輩」「後輩」のはっきりある高校時代の文化の記述としても面白かった。(部外に男が出来る女の子が出来る、というのは、テレビアニメ本編からすると驚きでもあった。)また、あの後輩ちゃんの熱烈なアピールも良い。

リズと青い鳥」という自由曲の選択は、顧問の滝先生によるのかしら。あの代であれば主軸はオーボエ(みぞれ)だというメッセージでもあったはずなんだろう。本人ものぞみも気がついていなかった可能性さえあるが。