『ひそねとまそたん』第6話

ひそねとまそたん』第6話「君の名前を叫ぶから」

絵コンテ・松尾衡、演出・三宅将平

「アフレコとプレスコの中間」で声を録っているらしいです(そして松尾さんを呼ぶ)。この声の陣営であれば、その芝居に絵を付ける作画チームも燃えるだろう。

健さんなんて名前で呼ばないで」と立ち上がり、大きな一歩を踏み出して、洞窟から外に出て、煙のなかの機体に近づき、灼ける装甲に素手で触れて、語りかけ、「ノーマ」の名前を呼ぶ場面、口元も表情も写り込まないカットを重ねていく(この書き取りの読点の数くらいある細かなカット割りだった)。絵ではなく、キャリアの浅い声優の芝居が先導して、星野さんの感情の変化が表現されていく。この「声先導」は「賭け」だったかもしれない。まあ、感情を御すことのできない登場人物らしい声だったといえるかもしれない(プラメモ第1話の末尾で同様のカメラワークがあったが、そのときの久野美咲の声先導の泣き芝居はもっとすごかったぜ)。こころがほどけていくのに合わせてノーマの装甲が剥がれていく効果音は、ベタだが涙腺に来た。