宇宙よりも遠い場所第11話

宇宙よりも遠い場所、第11話。絵コンテ佐山聖子、演出大庭秀昭。

なんかの調査の帰り道、明け方なのか夕方なのか分からんが、トラックの荷台から太陽の光が見える場面でのレイヤーのスライドの演出、目立つ場面でもないかもしれないが素晴らしかった。手前の雲のレイヤー(すばやく流れる)、奥の雲のレイヤー(ゆっくり流れる)、水色の空のレイヤー(動かない)、プラス、太陽光のエフェクト。屋外の場面、そこまで多くないのだろうか、ここぞとばかりのきれいなカットだった。(タイプのひとは雲みたいなひと、とか言って、上層雲、中層雲、みたいなマジレスしてだからモテないんだ言われていた松岡くんCVのキャラがいたが、雲/空がレイヤーをなしていることを映像構成的によーく見せてくれるシーンだった。)

むしゃくしゃして雪に当たって、そのまま足がはまってそれで余計むしゃくしゃする、みたいな芝居のつけ方も「あるある」感あった。

ダーリン~

ダーリンなんとか最新話。

使徒」みたいな無理ゲー感がないなぁ。

エンディングも学生モノっぽい初期のやつに戻ってもいいぜ。

「ライオン」はオリンピック期間おやすみだったみたいだが、そのとき予約をいじったらしく、ここ2週録れてない……。おじさんのタイトル戦見たかった。

大石美絵~川畑喬の絵コンテだったと知って、なおさら絶望した!(いや、そんな元気はない。普通に絶望した……。)(この二人、上手いっすよねえ。)

表参道画廊

表参道画廊の岡崎乾二郎・白井美穂・松浦寿夫の三人展へ。

電線だか水道だか枝切りだかの工事をやっていてギャラリーの眼の前の道が塞がってやがった(笑) グーグルマップがなかったら断念していたと思う。

岡崎の作品は、一見したところ一筆書きのように見えるが、筆致の重なりを追うと、一筆書きではありえないレイヤーの重なりになっていたように見えた。どうなんだろ。

表参道画廊 岡�ア乾二郎 白井美穂 松浦寿夫

あと、このあいだ室やんのことをここに書いたら数日後に結婚の報告があって焦った。26歳の誕生日にとか、若い。

りゅうおうの~は渡辺・羽生の(将棋界のジンクスを破った)3連敗からの4連勝をやるんでしょう。第4局で打ち歩詰めでギリギリ受かっているという局面が出てくるが、この話は内弟子との朝の日課のパートでこなしている。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン第9話

こんなに「右手」の描写に溢れた作品だったのか。自動車の振動に上乗せで情動で震えてしまうの、義手なのに感情で震えてしまうの、ええなぁ。動かないもの(義手や紫色の花)が動くというのが、アニメーションの原理論であるとともに、感情という本作の謎というか主題と絡む週で、なかなかの回収だった。

アバンタイトルの戦争描写は第1話Cパートですでに見ているが、劇伴がまったく異なっているし、おそらく声優の芝居は撮り直しであろう。

本作でのヴァイオレットちゃんの感情(石川由依の芝居)の振れ幅を第1話で見せてしまって、当初はもったいないことをしていると思っていたが――淡々とした発声が基調のキャラクターにおいてあれだけの感情の発露があることは驚きとして温存できた――第1話から9話までのさまざまな場面や芝居の蓄積があれば、単純な反復となるはずもなく、かりに撮り直しではなく音声のバンク活用になっていたとしても、この芝居に視聴者が読み取れてしまう情動性は高まっている。

個人的な趣味だが、来週は山田尚子絵コンテで姫様のツンツン新婚生活をお送りしてほしい。

あと、カトレアさん(CV遠藤綾)とベネディクト(CV内山くん)は早くくっついてほしい。

家族社会学新書2冊

筒井淳也『仕事と家族:日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか』(中公新書、2015年)

同『結婚と家族のこれから:共働き社会の限界』(光文社新書、2016年)

光文社のほうから読んだ。

方法論としては、量的(統計的)な実証。したがって、異性愛を暗黙の前提としており、規範性の記述に近づいていく(では同性愛カップルはどうなるの? などは論じられない。幼いころの家庭環境から一人の生活を選ぶ人は? シェア生活に落ち着く人は? などは論じることができない)。ただ、それでも、「すでにみんな知っていること」にめんどくさい手法で到達する、という「社会学あるある」に終始するわけでもないところが読みどころだろう。(数々の前提となっている誤解をほぐす場面が多かったように思う。)

あと、「モテない俺」への処方箋も書いてない。社会学だから。

 

 

 

結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 (光文社新書)

結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 (光文社新書)

 

 

りゅうおうのおしごと!

第9話、今回の棋譜はいいのを持って来てくれた。

桂香さんの将棋も見たかった気がする。

あと、こちらの世界の名人、穴熊を崩して王手をかけていくところ、着手前に「震え」のアニメートが入っていたが、当然とはいえ、こちらのフィクション世界でもモデル(の一人)は羽生さんなんな。(棋譜も羽生さんのものだが。)

citrus

citrus』第9話、理事長、副会長(あちらさんの幼なじみ)、父親、こちらの幼なじみ(CV井澤詩織にこういう芝居あるんですね…)と阻害の要素がついきに突きたような気がする――予告を見ても。この枠の「一迅社」宣伝、聞いているほうが恥ずかしくなる週のほうが多いけれど、今週のは良かった。

オープニングのBメロというのか、サビに向かう尺の長いカットでの「振り向き」のリレー、かっこええっす。

高橋丈夫監督については、いまだに「ヨスガ」級の優良演出・作画アニメを期待して毎作品ごと見てしまう。(「反=アニメ批評」てブログ店じまいしてんのけ。)