高木さんのオープニング

からかい上手の高木さん』のオープニング、出合小都美さんの絵コンテ・演出でした。

冒頭の数カットの出合さん度、高い。

この手のポップな簡略化表現のほか、「友人帳」監督あたりからだろうか、実直な背景を組み込むようになったような気もします。

西片と高木さんの関係は、あれ以上深まることも離れていくこともなくて、すでに完成形の飽和常態を見せられているわけだろうが(結婚後を描く話があったことは措くとして)、そういう二人の「調和」(と言ってよいと思うが)が曲がサビに入るあたり、手を引く高木さん(画面左への動性)、手を惹かれる西片(おなじく左への動性)、その動性がぶつかって二つの波紋が交差するショット(画面右上から、高木さん~西片の動性を引き受ける波紋/つづいでそれを受け止める画面左下から右上への波紋)、つづくカットではその動性のラインに沿って麦わら帽子から三角形や鞠のような幾何学模様が伸びて、カメラもそのラインに沿って伸び上がり、とこのあたりの伝達がとても気持ちよく見られる。二人は最後にはロングショットのカメラフレアに収まってお似合いじゃんヒューヒューと、爽やか気分になりました(そして自分の過去をかえりみる……泣く)。

あと、あの眉毛ちゃんの声優さん、「月がきれい」のヒロイン~新「グルグル」のククリの役者さんか。新しいタイプの役ですね(大沢事務所!)。