『ウマ娘 プリティーダービー』第10話
脚本・池田亮、絵コンテ・高村彰、演出・慰斗谷充孝
泣かせるなよ……。
if の対決レース――もしかすると、あの二人にしか見えていないのかもしれない――をクロスカッティングで見せるとは。泣いた。
そうだよ、各世代の名馬が一挙に集うウマ娘の世界全体がそうだけれど、時間を越えた対決は、そんなレースはどこにも存在しないけれど、こうやって、想像の水準で成立してしまう。想像するわたしたちに見えてしまう仕掛けがある。スズカさんのいう「夢を与える」はつまり、こういうことなんじゃなかろうか。東京競馬場とトレセンとのクロスカッティングの両者を見ることのできるわたしたちという場があってはじめて、見えてしまう。
つぎは「日本の総大将」で対モンジューか。
『ひそねとまそたん』第6話
『ひそねとまそたん』第6話「君の名前を叫ぶから」
絵コンテ・松尾衡、演出・三宅将平
「アフレコとプレスコの中間」で声を録っているらしいです(そして松尾さんを呼ぶ)。この声の陣営であれば、その芝居に絵を付ける作画チームも燃えるだろう。
「健さんなんて名前で呼ばないで」と立ち上がり、大きな一歩を踏み出して、洞窟から外に出て、煙のなかの機体に近づき、灼ける装甲に素手で触れて、語りかけ、「ノーマ」の名前を呼ぶ場面、口元も表情も写り込まないカットを重ねていく(この書き取りの読点の数くらいある細かなカット割りだった)。絵ではなく、キャリアの浅い声優の芝居が先導して、星野さんの感情の変化が表現されていく。この「声先導」は「賭け」だったかもしれない。まあ、感情を御すことのできない登場人物らしい声だったといえるかもしれない(プラメモ第1話の末尾で同様のカメラワークがあったが、そのときの久野美咲の声先導の泣き芝居はもっとすごかったぜ)。こころがほどけていくのに合わせてノーマの装甲が剥がれていく効果音は、ベタだが涙腺に来た。
リズと青い鳥
『リズと青い鳥』行った。池袋。
あの物語展開であればあのキャラクターデザインで良いと思う。
じっくりしたタイトル表示前までのシークエンス(登校のシーン)でやられた。
演奏シーンも素晴らしかった。
種崎敦美の名前がキャストクレジットの筆頭に来る劇場アニメ。
*
吹奏楽部ということで「耳のいい人たち」の世界(『聲の形』スタッフの制作、と宣伝されているのもうなづける)。
登校の場面が分かりやすいいが、ミニマルなフレーズを反復する劇伴は、いくつかの音色パートがあって、複数の音色が重なるとも追いつくともいえない微妙な間隔を保持したまま進行して、さらにローファーなり上履きなりの足音が重なっていく。むろん、みぞれとのぞみの関係性の隠喩なのだろう。
その関係性の描写については、登校の場面でもおしまいのカットでもあったけれど、「クルッと回る」というアクションも同様の意味作用を担っているだろう。みぞれ/のぞみの追いつく/追い越すの関係性の転換。
また、年齢にして三つしか違っていないはずだが「先輩」「後輩」のはっきりある高校時代の文化の記述としても面白かった。(部外に男が出来る女の子が出来る、というのは、テレビアニメ本編からすると驚きでもあった。)また、あの後輩ちゃんの熱烈なアピールも良い。
「リズと青い鳥」という自由曲の選択は、顧問の滝先生によるのかしら。あの代であれば主軸はオーボエ(みぞれ)だというメッセージでもあったはずなんだろう。本人ものぞみも気がついていなかった可能性さえあるが。
多田くん、ヲタ恋
「多田くん」も「ヲタ恋」も物語の筋はいまいちだけれど、前者では宮野真守、後者では杉田智和、沢城みゆきの芝居が聞きたいがために視聴をつづけているという(いいカップルですよねぇ)。
とにかく忙しいのであまり書けない。
友人の結婚式があった。天気がよかった。ドリンクメニューにあったカクテルを一つずつ淡々と注文していった。ご両親に会ったのは久しぶりだったが嬉しそうだった。新婦のお母さんの涙を見て勝手にもらい泣きしそうになった。
自身の婚活は続けてはいるが、結果も出ていないし、正直自信もない。とりあえず一人で生活できるようになりたい。
劇場ユーフォもまだ。
「こみが」「ウマ娘」は安定して良い。旋回癖が文化祭前のワクワクに転換されているの、ナイスだった。
非常勤では、文学の授業は去年よりはいい内容になっているだろう。語学の授業は淡々と。想定していたより語学力が低い。
まあいろいろ書き残しているが、ぽっくりあしたにでも死ぬとして、こんなことも書いていたんだとなんらかの経緯で発見されたらいいなあ。(PCにはパスがかかっているが。)
22/7 シャンプ―MV
新曲(深夜アニメを見ると広告が入る)のMVフルバージョンをyoutube公式にて。
クレジットはないが、ぐぐると、制作はタツノコ。監督・安藤良、キャラデザ・堀口悠紀子。
時系列でいうと、結成のあたりだろうか。最初のサビで雪が降るのではなく舞い上がるが、時系列の巻き戻しが起こる、という合図だろう――ショート版を抜けて2コーラス目に入ると、時間が巻き戻っている。
キャラ二人ずつの組み合わせを強調するカット割りであり、振り付け(可愛い)であるが、さらにその二人組が複数化し、ときに4人組になり、A子&B子のショットがB子&C子のショットと繋がったり(ちょっとこっち向きなさいよ、みたいな)、むろん、最後には8人になるわけで、このあたりの結成のプロセスが見えたところで、雪はまた地面へと降り積もっていく。(メンバー集めをしているときが一番面白い説。)
2コーラス目が終わって、長い間奏部を抜けたところ、8人が横一列に並ぶショットでカメラは丁寧に横にパンして、一人ひとりの山場を設けていくが、ここでも二人組の原則なのか、一人しかカメラに収まらない箇所がないように見える(つねにリレーをしているように見える)。(そのあとの、季節が春になるロングショットでの左から二番目の金髪ちゃんの振り付けが超でかいw)